気配
はみたちとは一度もことばを交わしていない。
ことばいらないな、というのを超えている。
何かを否定した上に成り立つような、そんなちゃちなものではなかった。
手段は星の数ほどあるってこと。
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今世の家族総出で、夕刻に連れ立って歩いて出掛けるのがとても好き。
前後しながら、みんなの気配を感じて歩いている。
みんなもきっとそう。
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しみこちゃんに赤のゴム手袋とブロッコリーのアミューズ。
アミューズ、大好物を少しずつ盛り合わせたもの。
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ためていた毛玉がついに完成してお披露目。
いきなり現れた、見たこともないくらいの大玉。
まず、これまでにないくらいに転がる。
これまでが転がしていたなら、これは、転がる。そして弾む。
しみこちゃんのわくわくが止まらなくて、永遠にあそんでいる。
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帰りの車の中で、私が眠っていると思ってあの人が頭をぽん、とした。
その時流れていた音楽は。
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