うたをうたったら


つい寄ってきてしまうのかわいいな。


どこかへ行ったと思ったら、小さな紙切れだけ取って戻ってきて、
それで私の側でいつまでもあそんでいる。


うたをうたって贈ったら、それが贈りものそのもの。


心地よさとうつくしさへの深い理解がある服。


あんなに食べていたくだもの絵本を久々におろしたら、
ていねいにページをめくるだけで食べなくなっていた。
とっかかりがすでにあるページを少しだけ破いたら、
それを持ってお出掛けする。


私によってテーブルの上にわざと置かれた米粒を、
左の人差し指でそっと拾って口へ運ぶ。
お米に気付いた瞬間のあなたに訪れる静寂への私の胸の高鳴り。

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