六月の雨



退屈な説法にたまらなくなって、チャペルよろしくお寺を勢いよく飛び出したら、
外は地上の楽園だった。

静かに雨が降っていて、緑は目にも鮮やかで、光の粒が煌めいて、
あぶれた子どもや大人たちがいて、
なんだ、みんなここにいたのね。

六月の雨の日、
中で何が起ころうが語られようが、ここはずっと続くのだと思われた。

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